鍼灸は体質改善に効果があります。体質に合わせて以下のようなツボを選び、虚証なら補法(ほほう)(気を補う)、実証なら瀉法(しゃほう)(気を巡らす、緩める)の鍼灸をして、虚実などの変調を整えることで体質の改善をしていきます。
五蔵が変動すると次のような症状がでますので、対応するツボで変動を調えます。
肝の変動~肝兪(かんゆ)、胆兪、合(ごう)谷(こく)、太衝(たいしょう)、後谿(こうけい)など
心の変動~神門(しんもん)、霊(れい)道(どう)、心兪など
脾の変動~脾兪、胃兪、太白(たいはく)、足三里、中脘(ちゅうかん)など
肺の変動~肺兪、太淵、列缺(れっけつ)、身柱など
腎の変動~腎兪、志室(ししつ)、太谿(たいけい)、復溜(ふくりゅう)、照(しょう)海(かい)、大巨(だいこ)など
内熱の体質(炎症傾向)~背部督脈のツボ、厲兌(れいだ)、内庭(ないてい)、手の井(せい)穴(けつ)など
冷えの体質~関元(かんげん)、中脘、復溜(ふくりゅう)、腎兪、胃兪など(お灸もよい)
上実下虚(のぼせ、肩こり、腰痛、足の冷えなど)~関元、照海、太谿、百会(ひゃくえ)など
例えば、イライラして、ため息が多い、肩が凝るという症状があるなら、肝の変動を調えるツボ(肝兪、太衝など)を、朝が起きれない、雨天に身体がだるい、疲れやすいなどであれば脾のツボ(脾兪、太白など)を使用します。
肝と脾の両方の症状がある場合はウェイトの大きいほうのツボを選んで使用します。
頭痛・肩こり・足腰のだるさがある場合は足や腹部のツボを使って上下のバランスを整えるように施術します。体質が改善してくると、症状が全体的に和らぎ、季節ごとに起こりやすい症状も起こらなくなってきます。
急性の腰痛(後谿など)、蕁麻疹(至陽など)、喘息(心兪など)、関節の炎症(衝陽など)などの急な症状の場合は、体質を踏まえた上で適切なツボを選び施術をします。