気温が随分下がりました。かぜも流行していますが、11月から本格的なウイルス性胃腸炎流行の季節になります。
ノロウイルスによる胃腸炎と予防について
ノロウイルスによる感染性胃腸炎や食中毒は、一年を通して発生していますが、特に冬季に流行します。
ノロウイルスは手指や食品などを介して、経口で感染し、ヒトの腸管で増殖し、おう吐、下痢、腹痛などを起こします。ノロウイルスについてはワクチンがなく、また、治療は輸液などの対症療法に限られます。 従って、皆様の周りの方々と一緒に、次の予防対策を徹底しましょう。
○ 患者のふん便や吐ぶつには大量のウイルスが排出されるので、
(1) 食事の前やトイレの後などには、必ず手を洗いましょう。
(2) 下痢やおう吐等の症状がある方は、食品を直接取り扱う作業をしないようにしましょう。
(3) 胃腸炎患者に接する方は、患者のふん便や吐ぶつを適切に処理し、感染を広げないようにしましょう。
○ 特に、子どもやお年寄りなど抵抗力の弱い方は、加熱が必要な食品は中心部までしっかり加熱して食べましょう。また、調理器具等は使用後に洗浄、殺菌しましょう。
平成28年食中毒患者数・厚労省データより作図
東洋医学では、胃腸の弱り(脾虚といいます)のある人が罹りやすいと考えます。体力の低下してきた高齢者や子供は胃腸機能が未熟なので罹患しやすいです。鍼灸では予防として、胃腸の働きを太白穴、脾兪・胃兪穴などを用いて補法をします。感染して嘔吐・下痢がおこってきたら、経口補水液や水分を少量ずつ回数を分けてとるようにしましょう。漢方薬では軽症なら五苓散などが用いられるようです。嘔吐・下痢の症状が落ち着いてきても倦怠感や食欲不振が続くようなら鍼灸で低下した体力を回復させましょう。
参照:「内経気象学入門」P244・245
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