二十四節気 内経気象学 未分類 東洋医学と気候・気象

春分~本格的な春の到来 (^^♪

■春分~「日天の中を行て昼夜等分の時也」(暦便覧)

【日本大百科全書】

天球上で黄道が赤道と交わる二つの交点のうち、太陽が赤道の南から北に抜ける点が春分点で、太陽がこの点を通過するとき、つまり太陽の黄経が0度に達したときが春分であり、これを含む日が春分の日である。二十四節気の一つで、陰暦2月の中(なか)であり、太陽暦の3月21日ごろにあたる。この日は春の彼岸(ひがん)の中日で、国民の祝日である。この日、太陽は真東に昇って真西に沈み、昼夜の長さはほぼ等しく、この日を境にして北半球では昼がしだいに長くなり、夜は短くなる。[渡辺敏夫]

気候的には、東日本や西日本ではこのころサクラの開花期の直前にあたるが、気象上の状況としては、温帯低気圧の通過などにより天気は変わりやすい。春分を中日とする前後3日ずつ7日間を彼岸(ひがん)といい、これは農事始めをする時期にあたっている。またこのころ野遊びや山登りを行う地方も多い。[根本順吉]

■一年の気候推移と陰陽図

一年の気候推移を陰陽の変化であらわした陰陽図です。春分は陰と陽の量が丁度同じになり、ここから陽が陰よりも増えていく境目になります。したがって身体でも陰気は減少して陽気が増加していきますので炎症性疾患が発病・悪化しやすくなります。食べ物では陽気の強い揚げ物、香辛料、ニンニク・チョコレート、羊肉・牛肉は控えめにして、炎症を和らげ気を下げる葉物野菜・根菜類や気を巡らす柑橘類を積極的に食べるようにしましょう。立夏の頃になると気温が大分上昇して発汗してきますので、余分な陽気は汗とともに外出してバランスがとれてきますが、それまでは散歩・ハイキングなど運動をして軽く発汗するようにしましょう。

■春の五蔵への影響~蔵気法時説

 

この図は『黄帝内経』にある「蔵気法時説」を図示したものです。月は「十二気暦」(中国、北宋の沈括が元祐元年(1086年)に提案した太陽暦の暦法:Wikipediaより)に相当して、立春を一月の初めとして、二十四節季の区分に合わせたものです。

■春は肝と脾の季節~五月病の原因の一つ

春をみると肝病が起きるとあります「肝病起」。春は気温上昇と共に五蔵では肝の藏が盛んになり、太過であると肝実という状態になり、怒りやすくなる、不眠、胸脇部が突っ張り痛む、口が苦い、眩暈、耳鳴りなどの症状を呈しやすくなります。

「脾病甚」とあるのは、春に肝実となると脾の働きが肝により阻害(相剋といいます)されて脾虚などになるということです。ストレスで倦怠感が出たり、胃腸の調子が悪くなることに相当します。また春は温帯低気圧が3-4日に一度定期的に到来したり前線停滞により降雨が多く、冬よりも湿度が高くなる(湿邪といいます)ことで脾が影響を受けて弱りやすくなります。

このように蔵気法時説では春は肝と脾の異常が出やすい季節であるとしています。したがって春は肝実を緩めて脾を助けることが大事で、いらいらしないようにゆったりと過ごす、軽い運動をしたり柑橘類を食べて肝を緩める、消化のよいものを食べる、睡眠をしっかりとって脾を守ることが春の大事な養生になるわけです。

これを怠ると5月初め前後にいわゆる五月病が起こりやすくなると考えます(4月からの生活環境の変化も肝に影響します)。

参考:『内経気象学入門』P74-89:蔵気法時説、P164-214:日本の気候~詳しく解説をしています。

【次回は日本の気候推移に合わせた蔵気法時の解説をします】

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