今日は久しぶりによく晴れました。日中は汗ばむほどでした。
六甲山を望む
投稿「猛暑から一転・・・」でも少し書きましたが、今年の9月はかなりの低温です。そこで気象庁のデータに基づいて大阪と東京について調べてみました。
気温推移~8月20日から9月27日の最高気温、最低気温と平年値を比較しました。
グラフを見ると9月1日に大きく気温が下がり、大阪では9月8日から9月15日までの間は特に大きく平年値を下回っています。大阪の方が気温低下が大きいですね。
東京では日ごとの寒暖差が大きく、例えば9月9日最高気温が32.1℃から翌朝10日は21.4℃まで降下、10日日中は30.6℃まで上昇し、11日早朝は19.3℃まで下がっています。全般的に秋雨前線の影響を受けて晴れたり曇ったりしています。11日は大陸の高気圧が張り出してきて晴れて乾燥し放射冷却で気温が下がりました。秋に晴れて乾燥し気温が下がると気管支喘息が多発することがわかっています※1、2。
気象庁提供
東洋医学では秋は燥金の季節とされ、乾燥して気温が低いことが特徴の季節で五蔵では肺が大きな影響を受けて肺病を発病するとされています。また日中の気温が夜から早朝にかけて大きく下がると六淫の風寒邪を受けやすくなり、軽度な感冒で更に咳や喘息症状が出やすくなります。
大阪での長期間の低温は秋雨前線の停滞によるもので、気温が低いことと合わせて湿度が高くなっていました。東洋医学ではこれを六淫の組み合わせで「寒湿邪」と呼びますが、各種痛みの症状、関節痛を悪化させたり、六淫の「風邪」と合わさると微熱と共に下痢症状や嘔吐・食欲不振・倦怠感を生じやすくなります。当院でも、週末からの休み明け9月11日に、冷えて腰痛を発症した人が3人、気温が低下してからうつ症状を呈した人が2人、以前から生野菜を食べていて昨日より食べると胃痛が起こってきた人など、気温低下の影響を受けたと思われる方々が来院されました。
今年の夏は記録的猛暑だったので、体力が大きく低下している人が東洋医学の診察(脈力の低下、舌の状態、経穴の反応など)から見て多いです(これを暑邪傷気といいます)。したがって気温低下により発病しやすくなっていると考えます。今のうちに体力低下の状態を鍼灸その他方法で速やかに回復させることが大事ですね。
次回はこの期間の日照時間の変動について考えてみます。
※1伊東繁ら:気管支喘息発作と気象因子との関連について-多変量解析(数量化理論第Ⅱ類)による分析.アレルギー:1077-1083,1989
※2寺道由晃ら:神奈川県立こども医療センター人工気象室制作経過記録.こども医療センター医学誌.9:321-325.1980.
【続く】
クリックして頂けたら嬉しいです東洋医学ランキング